台湾映画『悪女(Lost in Perfection)』を観て、「日本の木嶋佳苗事件を思い出した」という声がSNSやレビューで見られます。
料理上手な女性、男性との金銭関係、そして不審死――。
確かに共通点を感じる設定もあります。
しかし映画の展開を見ると、実際の事件とは大きく異なる部分も少なくありません。
では、この映画は本当に木嶋佳苗事件をモデルにしているのでしょうか。
台湾映画「悪女」は木嶋佳苗がモデルなのか?
2024年からNetflixで配信されている台湾映画『悪女(Lost in Perfection)』は、日本の首都圏連続不審死事件(木嶋佳苗事件)をモデルにしたのではないかと、レビューなどでも話題になりました。
そこで今回は、この映画の内容を確認しながら本当に事件と関係があるのか見ていきます。
映画「悪女」のネタバレあらすじ
※ここからは映画『悪女(Lost in Perfection)』のネタバレを含みます。
物語は、ニュースキャスターのリメイを中心に進んでいきます。
リメイは結婚を控えたある日、父親がシュウランという女性と再婚しようとしていることを知ります。しかしその女性は、過去に交際していた男性たちが相次いで死亡したことで殺人容疑者として報じられていました。
死亡した男性たちは生前にシュウランへ多額の金銭を送金しており、事件は連続不審死として大きく報道されます。
父親を守るため、リメイはこの女性の正体を確かめようとし、検事オルンとともに事件の真相を追い始めます。
しかし調査を進める中で、事件には捜査や証拠の扱いをめぐる疑問が浮かび上がり、物語は単なる連続殺人事件ではない方向へ展開していきます。
このように映画『悪女』は、連続不審死事件を巡る疑惑から始まり、冤罪の可能性や事件の真相を追うサスペンスとして描かれていきます。
木嶋佳苗事件とはどんな事件だったのか

映画『悪女』が日本の事件を連想させるという声がある理由の一つが、物語の設定です。
そこでここでは、比較の前提として、日本で起きた首都圏連続不審死事件(木嶋佳苗事件)がどのような事件だったのかを簡単に整理します。
首都圏連続不審死事件の概要
2009年、首都圏で複数の男性が相次いで死亡する事件が発覚しました。
後に「首都圏連続不審死事件」と呼ばれるようになったこの事件では、当時34歳だった木嶋佳苗被告が関与した疑いで逮捕・起訴されています。
捜査では、木嶋被告が婚活サイトなどを通じて男性と知り合い、結婚をほのめかしながら金銭を受け取っていたとされています。
その後、交際していた男性が練炭自殺とみられる形で死亡するケースが複数確認されました。
警察はこれらの死亡を不審死と判断し捜査を進め、木嶋被告を連続殺人などの罪で起訴。
裁判では男性3人に対する殺人罪などが認定され、2017年に最高裁で死刑判決が確定しています。
なぜ世間の注目を集めたのか
この事件が大きく注目された理由の一つは、交際関係にあった男性が相次いで死亡していた点です。
捜査では、木嶋被告が婚活サイトなどを通じて複数の男性と知り合い、金銭のやり取りがあったことなどが明らかになりました。
さらに死亡した男性の多くが練炭による自殺のような状況だったことから、事件は大きな関心を集めることになります。
また、裁判では直接的な殺害の瞬間を示す証拠が乏しい中で、有罪が認定されたことも議論を呼びました。
こうした点から、この事件は当時大きく報道され社会的な関心を集めた事件として知られています。
台湾映画「悪女」と木嶋佳苗事件の共通点
映画『悪女』の物語を見ていくと、日本の首都圏連続不審死事件を連想するという声が出る理由も見えてきます。
実際に、設定や人物像などいくつか共通しているように感じられる点があります。
料理上手な女性という設定
映画『悪女』では、主人公の女性が料理上手な人物として描かれています。
作中でも、手料理を振る舞う場面が印象的に登場します。
一方、首都圏連続不審死事件でも、木嶋佳苗被告が料理上手だったことが報じられ、交際していた男性に手料理を振る舞っていたとされています。
こうした「料理上手な女性」という人物像は、映画と実際の事件を重ねて見る人がいる理由の一つと考えられます。
男性から貢がれる|男性の保険金を受け取る関係
映画『悪女』では、主人公の女性が複数の男性と関係を持ち、金銭的な支援を受けているような描写があります。
男性との関係が恋愛とお金の両面で結びついている点が物語の重要な要素になっています。
一方、首都圏連続不審死事件でも、木嶋佳苗被告が婚活サイトなどを通じて知り合った男性から金銭を受け取っていたとされています。
こうした「恋愛関係と金銭の結びつき」という構図も、映画と実際の事件が似ていると言われる理由の一つと考えられます。
男性の不審死という疑惑
映画『悪女』では、主人公の女性と関係を持った男性が不審な形で死亡する出来事が描かれています。
そのため物語の中では、女性が事件に関わっているのではないかという疑いが向けられていきます。
首都圏連続不審死事件でも、木嶋佳苗被告と交際していた男性が相次いで死亡していたことから、事件が発覚しました。
こうした「交際していた男性の不審死」という構図も、映画と実際の事件を重ねて見る人がいる理由の一つと考えられます。
台湾映画「悪女」と木嶋佳苗事件の違い
ただし、映画『悪女』の物語は、実際の首都圏連続不審死事件とは大きく異なる展開も描かれています。
ここからは、映画と実際の事件で大きく違う点を見ていきます。
映画は冤罪サスペンスとして描かれる
映画『悪女』では、事件の見え方が物語の後半で大きく変わっていきます。
当初は連続不審死事件の犯人としてシュウランが疑われますが、捜査や証拠の扱いをめぐる疑問が浮かび上がり、事件は単純な連続殺人ではない可能性が示されていきます。
また、保険金の行方や登場人物の思惑なども絡み合い、物語は冤罪の可能性を含んだサスペンスとして展開していきます。
このように映画では、女性が確実な犯人として描かれるわけではなく、事件の真相が一つに断定されない形で物語が終わります。
一方、首都圏連続不審死事件では、木嶋佳苗被告に対して殺人罪が認定され、2017年に最高裁で死刑判決が確定しています。
この点は、映画の物語と実際の事件との大きな違いと言えるでしょう。
物語の結末は事件とは大きく異なる
映画『悪女』の結末では、シュウランが明確な犯人として断定される形にはなっていません。
保険金の流れや登場人物の思惑が絡み合い、事件の真相は一つに断定されないまま物語が終わります。
一方、首都圏連続不審死事件では、木嶋佳苗被告に対して殺人罪が認定され、2017年に最高裁で死刑判決が確定しています。
このように、映画は解釈の余地を残す結末ですが、実際の事件では司法判断がすでに確定している点が大きく異なります。
なぜ木嶋佳苗がモデルと言われているのか
映画『悪女』は木嶋佳苗事件を直接描いた作品ではありません。
しかし配信後、日本の視聴者の間では「木嶋佳苗事件を思い出す」という声も見られます。
ここでは、なぜそのように言われるようになったのかを見ていきます。
容姿やキャラクターが似ていると話題
映画に登場するシュウランは、落ち着いた雰囲気で男性と関係を築きながら金銭のやり取りをしている人物として描かれています。
また、体型や雰囲気なども含めて、日本の首都圏連続不審死事件で知られる木嶋佳苗被告を連想したという声も見られます。
さらに作中では、日本食を作る場面や七輪のような道具で海苔を燻す描写も登場します。こうした細かな演出も、日本の事件を思い出したという視聴者がいる理由の一つと考えられます。
このような人物像や設定の共通点から、映画『悪女』は木嶋佳苗事件をモデルにしているのではないかという見方が広がったと考えられます。
また、複数の男性と関係を持っていた点も、首都圏連続不審死事件との共通点として指摘する声もあります。
SNSやレビューで広まった噂
映画『悪女』については、SNSや映画レビューサイトでも「木嶋佳苗事件を思い出した」という感想が見られます。
ただし、映画の公式情報などで木嶋佳苗事件がモデルだと明言されているわけではありません。
そのため、この説はあくまで視聴者の間で広まった見方の一つと考えられます。
台湾映画「悪女」はどこで見られる?
映画『悪女(Lost in Perfection)』は、現在Netflixで視聴することができます。
ここでは配信状況について簡単に紹介します。
Netflixで配信されている
台湾映画『悪女(Lost in Perfection)』は、Netflixで配信されています。
現在Netflixでは、期間限定のキャンペーンが実施されており、加入初月の月額料金が割引になる特典があります。広告つきスタンダードプランは通常890円ですが、キャンペーン期間中は498円で利用できるため、いわゆる“ワンコイン”でNetflixを楽しむことができます。
これからNetflixに登録する場合は、こうしたキャンペーン期間中に視聴を始めるのも一つの方法です。
ただし、こうしたキャンペーンは期間限定のため、実際の料金や特典はNetflix公式サイトで最新情報を確認してください。
まとめ
台湾映画『悪女(Lost in Perfection)』は、複数の男性の不審死や金銭関係などの設定から、日本の首都圏連続不審死事件(木嶋佳苗事件)を思い出すという声も見られる作品です。
実際に、料理上手な女性という設定や男性との金銭関係など、共通しているように感じられる点もあります。
ただし映画では、事件の真相が一つに断定される形では描かれず、冤罪の可能性を含むサスペンスとして物語が展開します。
一方、首都圏連続不審死事件では、木嶋佳苗被告に対して殺人罪が認定され、2017年に最高裁で死刑判決が確定しています。
このように、映画と実際の事件には似ていると言われる部分もありますが、物語の結末や構造は大きく異なると言えるでしょう。

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