WOWOWドラマ『コンサルタント』第4話では、伊崎の怖さがこれまで以上に濃く出ていました。
良美との関係に揺らぎが見えた直後、伊崎は思わぬ形で新たな人物と対面することになります。
そこで見えたのは、暗殺のシナリオを書く作家というだけではない、伊崎の洞察力と冷静さでした。
相手の言葉、部屋の様子、わずかな違和感から状況を読み取っていく姿には、暗殺コンサルタントとしての風格すら感じます。
しかし、第4話の本当の怖さはその先にありました。
カンパニーから届いた新たな依頼は、伊崎にとって簡単に割り切れるものではありません。
誰にも心を開けない伊崎は、この依頼をどう受け止めるのか。
今回は『コンサルタント』第4話で気になった違和感をもとに、伊崎の変化、良美が標的になった理由、水畑早紀も試されている可能性について考察していきます。
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コンサルタント相関図
『コンサルタント』では、伊崎耀と黒川秋峰を中心に、カンパニーや警察、会社関係者とのつながり、登場人物の関係を相関図で整理します。

『コンサルタント』第4話あらすじ
『コンサルタント』第4話は、伊崎が良美に振られたことから始まります。
待ち合わせに1時間も遅れたことで、良美との約束はキャンセルになり、伊崎はバーで一人酒を飲んでいました。
そこへ現れたのが水畑早紀です。
水畑は、慰めも福利厚生の一つだと話し、伊崎に新たな仕事を与えます。
伊崎は暗殺コンサルタントとしての仕事に戻り、原稿を作成します。
ネット上に履歴を残さないため、原稿は一部だけを残して消去し、都内の私書箱へ郵送するというアナログな方法を選んでいました。
その直後、伊崎はスーツ姿の男たちに拉致され、ある豪邸へ連れて行かれます。
そこで待っていたのは、政財界の黒幕とも呼ばれる五条会長でした。
五条会長は、伊崎をカンパニーから引き抜き、自分の専属にしたいと持ちかけます。
しかし伊崎は、豪邸の異常な警備体制や部屋の様子から、五条会長が何者かに命を狙われていることを見抜きます。
その後、五条会長は肺炎で亡くなったと報じられました。
一見すると、伊崎が五条会長から直接依頼を受けるかどうか迷っていたように見えましたが、実際には違いました。
五条会長との面会そのものが、伊崎にとっては暗殺シナリオを書くための取材だったのです。
伊崎は五条会長に直接会うことで、資料だけでは見えなかった情報を手に入れ、難攻不落に見えたターゲットを落としました。
一方、菅野刑事は過去の不審死と伊崎の小説を結びつけるように調査を進めていました。
第3話で伊崎が語った「殺し屋」の話も、菅野刑事の中で引っかかり続けています。
そして終盤、カンパニーから伊崎に新たな依頼が届きます。
そのターゲットは、伊崎の元恋人である斎藤良美でした。
五条会長はなぜカンパニーの罠に落ちたのか?
第4話で五条会長は、伊崎をカンパニーから引き抜こうとしました。
ただし、五条会長が欲しがっていたのは、暗殺を実行するための伊崎ではありません。
五条会長は、すでに何者かに命を狙われていました。
その相手は、簡単には殺せない存在。
五条会長にとっては、籠城するほど警戒していても、完全には切り捨てられない相手でした。
それが息子だったのだと思います。
だから五条会長は、伊崎を「暗殺コンサルタント」としてではなく、「暗殺阻止コンサルタント」として雇おうとしていました。
自分を殺そうとしている相手を消すのではなく、自分が殺されないために伊崎の才能を使おうとしたのです。
しかし、ここにカンパニーの罠がありました。
五条会長は、伊崎を引き抜くつもりで会いました。
けれど、その面会を暗殺の取材として利用する流れまで、黒川たちは読んでいました。
異常な警備体制。
防弾ガラスの部屋。
同じ銘柄だけが用意された酒。
外部からの攻撃を恐れるような生活空間。
伊崎は、五条会長と直接会うことで、資料だけでは見えなかった情報を手に入れました。
五条会長は伊崎を味方に引き込んだつもりだった。
でも実際には、自分を死に向かわせるための材料を、伊崎に渡していたのです。
ここが第4話の怖いところでした。
五条会長は、カンパニーの存在を知る大物です。
それでも逃げ切れなかった。
むしろ、自分ならカンパニーと取引できる、自分なら伊崎を動かせるという過信が、カンパニーの罠に落ちるきっかけになったように見えました。
五条会長の死で見えた伊崎の変化
五条会長の死で見えたのは、伊崎の小説家としての洞察力が以前にも増して鋭くなっていることでした。
伊崎は、五条会長の言葉だけを聞いていたわけではありません。
異常なほど厳しい警備、部屋に設置された監視カメラ、防弾ガラス、用意された酒の種類。
その場にあるものから、五条会長が何者かに命を狙われ、要塞のような場所に閉じこもっていることを見抜いていました。
しかも、五条会長が本当に恐れていた相手が息子であることまでたどり着いています。
伊崎はもう、資料をもとに暗殺シナリオを書くだけの人物ではありません。
目の前の空間、相手の言葉、わずかな違和感を拾い、人が死に向かう流れを組み立てる人物になっていました。
ただ、第4話で怖かったのは、伊崎が何も感じない怪物になったことではありません。
むしろ逆です。
水畑に「初めて暗殺相手の顔を見た感想は」と聞かれた伊崎は、感想なんてないと言いながら、五条会長の手の小ささを語っていました。
強大な権力を背負っているはずの男が、実際には怯えた孤独な老人に見えた。
伊崎は、五条会長をただのターゲットとして処理していたわけではありません。
相手の孤独や弱さまで見抜いていたのです。
それでも、伊崎は五条会長を死に向かわせるシナリオを書きました。
ここが第4話の一番怖いところです。
伊崎は何も見えていないのではありません。
むしろ、五条会長の怯えや孤独まで見えていました。
それでも、その死を止めるのではなく、仕事の結果として語っている。
第1話では人の死に怯えていた伊崎が、第4話では人の死をシナリオの完成として受け止め始めているように見えました。
しかし第4話の伊崎は、相手を人間として見たうえで、その死を仕事として語っています。
五条会長を落としたことで、伊崎は暗殺コンサルタントとしてさらに一段深い場所へ進んでしまったように見えました。
菅野刑事は伊崎にどこまで近づいたのか?
第3話では、菅野刑事の違和感がようやく伊崎へ向かい始めました。
議員、神父、酪農家、山添の転落事故。
それぞれは事故や病死として処理できても、菅野刑事はその偶然の重なり方に違和感を持っていました。
第4話でさらに大きかったのは、伊崎の後ろ姿です。
菅野刑事は、同窓会の友人から送られてきた2年前の伊崎の写真を見ていました。
そこに写っていた伊崎の後ろ姿が、第1話の議員死亡現場で警備員に引きずられるように連れ出されていた男の後ろ姿と重なります。
しかも、同じ上着を着ていたように見えました。
顔がはっきり映っていたわけではありません。
それでも、後ろ姿と上着が一致したことで、菅野刑事の中では「ただの偶然」では済まなくなったはずです。
議員死亡現場にいた男。
殺し屋について妙に具体的に語る同級生。
そして、不審死の周辺で名前が浮かび上がり始めた伊崎。
第4話で、菅野刑事は伊崎をただの同級生として見る段階を越え始めました。
小説と現実の事件が重なる怖さ
第4話でさらに気になったのは、菅野刑事が伊崎の小説サイトを調べようとしていたことです。
これはかなり大きな動きです。
後ろ姿や上着だけなら、まだ偶然で逃げられるかもしれません。
しかし、伊崎が過去に書いていた小説の中に、現実の不審死と似た構造があった場合、話は一気に変わります。
伊崎は第3話で、殺し屋のタイプについて語っていました。
その中で出てきたのが、サイコパスが目覚めた青年の話です。
青年の本性を知った雇主は恐れ、青年を抹殺しようとする。
この話は、ただの作家の想像としては妙に具体的でした。
2年前の写真。
同じ上着。
議員死亡現場の後ろ姿。
殺し屋論。
そして、過去の小説。
これらが重なったとき、菅野刑事の中の伊崎像は「同級生」から「化け物」へ変わり始めます。
第5話予告で菅野刑事が「伊崎は想像のつかない化け物かもしれない」と話していたのも、この流れを受けた言葉に見えました。
菅野刑事はまだ伊崎を追い詰めたわけではありません。
しかし、もう偶然の事故死を追っている段階ではない。
伊崎の過去、伊崎の小説、伊崎の現場での痕跡。
そのすべてが、少しずつ一本の線になり始めています。
良美はなぜ標的になったのか?
第4話のラストで一番引っかかったのは、斎藤良美の名前がターゲットとして出てきたことです。
これまでのターゲットは、誰かが利益を得るための暗殺に見えました。
政治家、神父、酪農家、特殊詐欺グループの男、そして五条会長。
どの死にも、裏側には依頼するだけの理由を持つ人物がいたはずです。
しかし、良美は表向きには伊崎の元恋人であり、ごく普通の会社員です。
そんな良美を消して、誰が得をするのでしょうか。
第3話では、良美は伊崎を見張る存在なのではないかと考えました。
水畑早紀が良美の存在まで把握していたこと、そして「プライベート管理もマネージャーの仕事」と話していたことから、良美は伊崎の日常を監視する役割にも見えたからです。
しかし第4話を見ると、良美は見張る側ではなく、伊崎の異常さに気づいてしまった側だったように見えます。
第3話で、良美は伊崎に「一緒にいても遠くに感じる」と話していました。
ホテルのスイートで会う関係でありながら、伊崎は良美を自宅に招くことも、家族や友人に会わせることもありませんでした。
一年付き合っていても、良美は伊崎の内側には入れなかったのです。
伊崎の正体そのものを知った描写はありません。
それでも、良美は伊崎の中に“自分には見せない別の顔”があることに気づいていました。
第4話では、待ち合わせに1時間遅れた伊崎に、良美からキャンセルの電話が入ります。
これは遅刻だけが原因の別れではなく、第3話から続いていた違和感が限界に来た場面にも見えました。
そして、ここが怖いところです。
良美は伊崎から離れようとした。
普通なら、それで関係は終わるはずです。
しかしカンパニーにとっては、伊崎のそばにいた人間が離れていくこと自体が危険だったのかもしれません。
大物でなくても、利益を生む人物でなくても、秘密に近づいた人間なら消す理由になる。
だから良美が標的になった理由は、伊崎へのテストだけではなく、口封じを兼ねていたように見えます。
良美は伊崎を見張る側ではなく、伊崎の壁の向こう側に気づいてしまった側だったのではないでしょうか。
水畑早紀もカンパニーに試されている?
第4話で試されていたのは、伊崎だけではありませんでした。
もう一人、カンパニーに試されていた人物がいます。
それが水畑早紀です。
水畑は、伊崎のマネージャーとして仕事を渡す側にいます。
良美との別れで落ち込む伊崎の前に現れ、慰めるのも福利厚生だと話し、すぐに新たな仕事を与えました。
一見すると、水畑はいつも通り伊崎を管理している側です。
しかし第4話では、その水畑自身も黒川に試されていたのでした。
黒川の「あなたも試されている」の意味
第5話予告で黒川は、水畑に「今回試されているのはあなたもです」と告げていました。
この言葉はかなり重いです。
今回の依頼は、伊崎が良美を標的にできるかどうかを見るテストです。
しかし同時に、カンパニーは水畑がどう動くのかも見ているのではないでしょうか。
水畑は、伊崎の仕事ぶりを一番近くで見ています。
伊崎の弱さも、危うさも、良美の存在も把握していました。
だからこそ、良美が標的になったとき、水畑が伊崎を守ろうとするのか、それともカンパニーの命令を優先するのか。
黒川はそこを見ているように感じます。
水畑は、伊崎に寄り添う言葉をかけることがあります。
けれど、最終的には依頼書を渡す側の人間です。
優しさを見せても、カンパニーから逃がすわけではない。
水畑が本当に伊崎の味方なのか、それともカンパニーの管理者でしかないのか。
第4話のラストで、その境界線が一気に怪しくなりました。
「以前担当した作家」が示すカンパニーの残酷さ
黒川が口にした「以前、あなたが担当した作家のように」という言葉も気になります。
この一言で、カンパニーが作家を使い捨てにしてきた可能性が見えてきました。
伊崎が初めての存在ではない。
水畑も、過去に別の作家を担当していた。
そして、その作家はもう表舞台にはいない。
黒川の言い方からすると、裏切りや失敗をした作家が、カンパニーによって処分された可能性があります。
だとすれば、水畑はカンパニーの残酷さを知らないわけではありません。
知っているからこそ、伊崎に「カンパニーはあなたが思っている以上に残酷」と言ったのだと思います。
水畑は、伊崎に警告しているようにも見えます。
でも同時に、その残酷な組織の一部として伊崎を動かしている。
ここが水畑の怖さです。
伊崎を守りたいのか。
伊崎を管理したいのか。
それとも、過去の作家のように伊崎を失うことをどこかで覚悟しているのか。
第4話では、水畑もまたカンパニーの中で安全な立場にはいないように見えました。
伊崎が良美をどう扱うのか。
そして水畑が伊崎をどう扱うのか。
次回は、伊崎だけでなく水畑の選択も大きな見どころになりそうです。
伊崎もまた誰かのシナリオで動かされている
第3話では、伊崎自身も誰かのシナリオの中で生きているのではないかと考えました。
第4話では、その見方がさらに強くなりました。
理由は、五条会長との面会そのものが、カンパニーの資料だけでは足りない情報を伊崎に集めさせるための取材になっていたからです。
五条会長は、伊崎を引き抜くつもりで接触しました。
しかし実際には、その面会そのものが、伊崎に五条会長を取材させるための流れになっていました。
伊崎は五条会長と直接向き合うことで、カンパニーの資料だけでは足りなかった暗殺に必要な情報を手に入れました。
けれど、その面会を暗殺の取材に変える流れまで、黒川たちは読んでいました。
つまり伊崎は、人を操るシナリオを書く側でありながら、自分もカンパニーの描いたシナリオに乗せられていたことになります。
第4話で怖かったのは、伊崎が利用されている自覚をどこまで持っているのか分からないことです。
伊崎は五条会長を落としたことで、暗殺コンサルタントとしての力をさらに強めました。
しかしその成功さえ、カンパニーにとっては想定内だったのかもしれません。
さらに、次の依頼では良美が標的になりました。
これは伊崎の能力だけでなく、伊崎の感情や限界まで試す流れに見えます。
伊崎はシナリオを書く側にいる。
でも、その伊崎の人生もまた、黒川やカンパニーが書いた物語の中にある。
第4話は、その構図がよりはっきり見えた回でした。
原作『コンサルタント』とは?WOWOW版との違いも気になる
『コンサルタント』の原作は、韓国の作家イム・ソンスンさんによる小説『コンサルタント』です。
過去には『暗殺コンサル』として紹介されていた作品が、現在は『コンサルタント―死を執筆する男―』[改題・新装版]として刊行されています。
WOWOW版では、伊崎が“完璧な暗殺シナリオ”を書いていく流れが前面に出ています。
一方で、作品の核にあるのは、人の死が誰かの利益として扱われる不気味さです。
ドラマを見たあとに原作へ進むと、カンパニーという組織の怖さや、伊崎が飲み込まれていく過程をさらに深く確認できそうです。
第4話では、伊崎が五条会長と直接対面し、さらに身近な人物が標的になる展開まで描かれたため、原作ではこのヘッドハンティングやカンパニーのテストがどう描かれているのかも気になるところです。
まとめ
『コンサルタント』第4話では、伊崎が暗殺コンサルタントとしてさらに危険な場所へ進んだように見えました。
五条会長との対面では、相手の怯えや孤独まで見抜きながら、その死を仕事の結果として語っていました。
一方で、菅野刑事は伊崎の後ろ姿や過去の小説に注目し、伊崎をただの同級生としては見られなくなり始めています。
さらに、良美が標的になったことで、伊崎だけでなく水畑早紀までもカンパニーに試される展開になりました。
第4話は、伊崎が人を操る側に見えながら、実はカンパニーのシナリオの中で動かされていることがより濃く見えた回だったと思います。
次回は、伊崎が良美への依頼をどう受け止めるのか。
そして水畑が伊崎を守るのか、それともカンパニー側に立つのかに注目したいです。



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